「向陵中学校進学」か「私立中学校受験(道内)」か

 こんにちは!円アカです!

 今日は、保護者様に「向陵中」か「私学受験(道内)」か、よく聞かれる内容についてお話をしたいと思います。

 

 向陵中学校はレベルが高く通知表を取りにくいので、私立中学校のほうが良いですか?

 →答えは「いいえ」です。そもそもですが、今、北海道の通知表の付け方は、「絶対評価」になっており、きちんと努力をすれば「5」をくれる環境です。一昔前の「相対評価」ならば発想としてあり得る考え方だと思いますし、札幌市の地域によっては私学に進学をしたほうが良い地域も存在するので、そういう地域ならば考えなければなりません。

 

 しかし、向陵中学校は、中3のときに行われる「学力テストABC」でも、市内で概ね「ベスト5」には入る中学校で、公立の中学校としては「勉強の環境が整っている中学校」と言えます。確かに見方によっては、「レベルの高い中学校」となるのかもしれませんが、そもそも通知表を「取りやすい」、「取りにくい」は何を基準に言っているのでしょうか。例えば「3」がついている向陵生がいるとして、「3」が付くまでの過程をその生徒と精査をすると、「してはいけないこと」を必ずしています。「提出物が提出されていない」、「提出物の内容が伴っていない」、「日常の小テストの結果が芳しくない」など、「当たり前のこと」をしていないケースが多いです。

 

 確かに、「美術」、「音楽」の数値化しにくい教科に関しては、「生徒」と「担当の先生」の「相性」が特に問われるかもしれませんが、先ほどの「3」が付いている生徒のようなことをする生徒が私立中学校に行って何かが変わるとは残念ながら思えません。整っている環境が近くにあるのに、わざわざ「遠くの中学校」を受験する必要性があるのかなと思います。また、「高校受験」と「中学受験」を比べると、「中学受験」のほうが出題される問題の難易度が高いケースが多いです。難易度の高い「中学受験」を頑張れるのに、それよりも難易度が下がる公立の中学校の通知表が取れないなんてことはないと思います。

 

 本人が「中学受験をしたい」と言っています。どうしたら良いでしょうか。

 →まず「中学受験をしたい理由」を聞いてみてください。円山小学校は、他の小学校よりも中学受験をするケースが特に多い小学校です。

 掘り下げていくと、よくありがちなのが、「友だちが受験するから自分もしてみたい」です。その中学校に「行きたい」ではなく、「行ってみたいが本音」であるケースが多いです。「その中学校の楽しいところだけ」が友達同士で話として盛り上がり、自分たちが話している内容が、あたかもその中学校の全てであるような錯覚をしてしまうケースは非常に多いです。そこには、ご本人の意思があるようで、「実際はない」と思います。

 

 進学後に「楽しくない面」が見えてきたとき、私立の中高一貫校の進学校で一例を言うと、中学3年生から高校生の数学に入っていきますが、授業のスピードが速いということは、それだけ勉強が大変であるということです。もしご本人の意思がない状態で、進学校の中高一貫校を選ぶと、仮に合格しても、その後の勉強面が非常に心配です。どの学校にも、メリットもあれば、デメリットもあります。「行ってみたい」で選んでしまうと、後々、「思っていたのと違った」という話をご本人からよく聞きます。公立の中学校の中では、環境が整っている「向陵中学校」が近くにあるにも関わらず、私立中学校に「行きたい理由」は何なのかをご家族でよくお話をしてみることをおすすめします。

 

 将来、医者を目指していますが、「札幌南高校」と「北嶺中学校」ではどちらが良いでしょうか。

 → まずご本人の性格を考えて、どちらの学校の校風に合うかを考えてみることをおすすめします。札幌南高は「自由な学校」、北嶺中は「学校の先生がスタンバってくれている学校」です。ご本人の性格によっては、学校の先生がスタンバっていることにより「窮屈」に感じてしまうケースもあるので、慎重に見極めることが重要です。

 

 次に、医学部に合格をするという観点からいくと、「数学」と「英語」が非常に重要になってきます。一昔前ならば、北嶺中学校が「高校生の数学」を終わらせるのが道内の高校で一番早かったかもしれません。しかし、今現在で考えると、札幌南高校の数学は高校2年生が終了した時点で、北嶺中学校に追いついてしまうので、私立中学校の進学校でよくある「1年間を大学受験の勉強に充てられる」というアドバンテージを、公立高校である札幌南高校でも作ることが出来るようになっています。

 また、中学受験をするということは、小学生の時に、「社会」と「理科」を勉強しなければなりません。しかし、難関大学を目指す観点からいくと、小学生の時の勉強の優先順位は、「算数」、「英語」、「国語」、「理科」、「社会」です。つまり、中学受験をするために、優先順位が上の教科を捨ててまで、優先順位の低い教科を勉強しなければならなくなってしまいます。正直、「社会」と「理科」を勉強する時間があるならば、「算数」と「英語」に力を入れて勉強をして、高校生につながる学力の土台を養成することに集中した方が良いと思います。

 

 概ね、この3つがよく聞く質問で、その質問の答えを書かせていただきました。小学生のご家庭は、ぜひご参考にしていただければと思います。個人的には、円山地区に住まわれているご家庭は、道内の中学受験をおすすめはしていません。しかし、中学受験をした方が良いと思うケースが2つあります。

 

 北嶺中学校の中で学年順位上位30位以内に常に入る自信のあるご家庭(駿台模試、全統模試で)

 →北嶺中でよく言われるのが、クラス分けをされる学年になったときに、1組(一番良いクラス)とそれ以外のクラスという雰囲気になり、授業の力の入れ方がクラスによって全然違うということです。つまり、北嶺中で、一番良い勉強の環境で学校生活を送れる自信があるならば、向陵中学校に進学するよりもメリットが多いと思います。

 

 こどもの将来について、机上のものではなくて本物を極力見せて考えさせてあげたいご家庭

 →立命館慶祥中学校をおすすめします。確かに学費などは他の学校よりも高いので、経済的な部分が関わってきますが、それが許すならば、公立の学校では真似の出来ない「教科書ではない本物」を見せてくれる学校であると思います。そして、学習塾でも、もちろん真似ができません。

 

 最後になりますが、道内の中学受験をあまりおすすめしない最大の理由を書きたいと思います。それは円山アカデミーのトップクラスに通塾していただければ、北嶺中学校と同じような偏差値(学力)を養成できる環境にあるということです。わざわざ往復2時間くらいかけて毎日通学をする必要がありませんし、この2時間をそれこそ勉強に充てていった方が効率が良いですよね。中学生・高校生6年間で考えたときには「膨大な時間」になります。単純な計算になりますが、365日×2時間×6年間=4380時間です。春休み・夏休み・冬休みなどを除けば減りますが、それでも膨大な時間です。わざわざ優先順位の低い教科を勉強して、わざわざ遠い場所にある学校に行くならば、それ相応のメリットがなければならないと思います。それよりも、近くの公立の学校の中では、環境が整っている中学校に進学をし、私立中学校と同じような学力を養成できる、近くの学習塾(円アカ)に通塾をして、自分の未来についてよく考えながら、高校受験、そして大学受験に向けて準備を進めていくことのほうが、じっくり自分の未来について考えやすいのではないでしょうか。