大学共通テストから見る「思考力・判断力・表現力」の必要性

 こんにちは!円アカです!

 

 今回は、「思考力・判断力・表現力」についてお話をしようと思います。この「思考力・判断力・表現力」は、学習指導要領が変わってから、よく聞く言葉だと思いますが、これは具体的には何だと思いますか。

 結論を先にお伝えすると「資料・グラフと付け合わせた読解力」、これが「思考力・判断力・表現力」になります。道コンなどでも「資料・グラフの出題」が多くなりましたよね。

 

 センター試験から大学共通テストに変わって、「さまざまな資料を読み込んだ上で、考えて解くような問題が多い傾向にある」と大学受験ではよく言われます。大学受験が変われば、高校受験も変わり、中学受験も変わっていくのが自然の流れですよね。

 つまり、「資料・グラフ」が問題に多く出てくるというのが「大きな変更点」であり、「ポイント」ということが言えて、「一昔前の文章だけを読めば良いという時代は終わった」ということではないかと思います。

 

 では、どうして「資料・グラフ」と付け合わせて読めるようになっていかなければならないのか。

 大学共通テストの「リーディング」を見てもらえればわかりやすいと思いますが、英語の文章と一緒に「資料・グラフ」などを一緒に読み取り、「時間の計算」、「金額の計算」などをして「答えを出す」という問題が多くなっています。

 つまり「日常生活でも実際に使う内容」が問題として出題されており、大学入試の大学共通テストをクリアする上で、「文章と付け合わせたグラフ・資料からの推測」というのが「必要な力である」ということが言えます。

 

 少子化を迎え、1人の人間がどれだけ高い付加価値を生み出せるかという社会に転換していかなければならない中、子どものうちから思考力・判断力・表現力を育てていくことは非常に重要ですよね。「理解していること・できること」を「日常生活に当てはめてどう使うか」を育てることによって未知の状況にも対応できる力を養っていけます。

 現代は変化が激しく将来の予測が困難な社会です。そういった状況の中でも物事の中から問題を見つけ、解決の方向性を決め、方法を探して計画を立て、結果を予測しながら実行して次の問題発見と解決に繋げられる力を養うことが求められているのではないかと思います。

 

 では、こういった訓練は、小学生・中学生のときはどのようにしていけばよいのでしょうか。漠然と今までのように学校の教科書を勉強しても身に付く力ではありません。そして、塾で配布されているテキストを解いても身に付く力ではありません。

 当初、円アカでも、どのように対応していくかかなり悩みました。市販の教材でも売っていないし、塾用教材でも売っていません。非常に探しました。そして、『「明日の学力」診断』という「思考力・判断力・表現力に特化したテスト」を何とか見つけることができました。

 では、『「明日の学力」診断』がどのような内容かを部分的にお見せしたいと思います。以下をご覧ください。

左 側の問題は、「M字型曲線」といって、女性が高校や大学を卒業した後に就職するものの、結婚や出産育児のために仕事を辞める人がいることで、30~40歳代に労働力率が低下した後に、子育てが一段落すると、パートなどで働き始めるようになり、再び労働力率が上昇することを表したグラフです。

 少子高齢化の日本では、女性が子どもを産み育てやすい環境を整備して、出生率を上げることが「実際の生活で課題」になっており、政治のニュースでもこの内容に関係することがよく報道されていたりしますよね。この問題に関しては、「グラフ」を、30歳~34歳の「男性」と「女性」で比べたり、「30歳~34歳の女性」と「それ以外の年代の女性」を比べたりしながら、「日常生活」に当てはめ「それぞれの違い」を考えて、答えを作っていきます。

 

 また、右側の問題は、「あみ入りガラスの特徴」を切り口とした「日常生活」についての問題になっています。おじいさんの質問に対して、おじいさんに意見(アドバイス)の内容を「資料」などをもとに「会話を成立させる」ように書かなければなりません。

 そのためには、おじいさんが話している内容のポイントである「まどをわって」を読み取り、それをヒントに【発表原稿】から答えの根拠になるところを探して、おじいさんに会話が成立するように意見を書くという問題です。

 これは小4の問題ですが、日常生活でポイントを掴みながら会話が出来ているか、どのように相手の話を聞いているかが、解答者の答えからよくわかる問題と言えます。こういうことって、日常生活を送るうえで非常に重要ですよね。

 

 「思考力(相手の話のポイントを考える)・判断力(そのポイントから重要なもの・必要なものを取捨選択する)・表現力(取捨選択をしたものから聞かれていることに対して正しく書いたり言ったりする)」は、勉強で問題を解くときにももちろん必要ですが、それ以上に日常生活でも重要ですよね。自分の気になったところや目立ったところだけを切り取って話をして、どうしてその話をされているかなどの「原因や背景」を日常的に正しく思考し判断し表現していない人もいます。

 なので、情報が間違って伝わって「そんなことあるわけないじゃん」と思うようなことでも平気で信じている人もいます。これからもっともっと情報が増えてくる時代です。これでは非常に危険ですよね。こういった観点からも、「思考力・判断力・表現力」を養っていくのは重要なポイントと言えそうです。

 

 「あすがく」の一例を紹介しましたが、日常的に解いているテキストやテストとは「違った内容である」ことが分かると思います。面白いことに、「思考力・判断力・表現力」は、「教科ごとのテストの偏差値」とは必ずしも関連しておらず、他の模試で高得点をマークしている生徒でも身についているとは限りません。「あすがくの成績」と「他の模試との成績」は生徒によってばらつきがあり、「あすがく」は、塾内での順位も「番狂わせ」がよく起こるテストです。「あすがくが苦手な生徒」は学年が上がれば上がるほど、「成績が伸びにくくなっている傾向」にあるように思います。

 

  『「明日の学力」診断』のホームページを見ると対応している学習塾が掲載されています。札幌市の学習塾は、対応している学習塾が残念ながらあまりないですが、円アカでなくても良いので、ぜひ一度受検してみることをおすすめします。小学生・中学生が、これから生きていくうえで非常に重要になってくる力なので、円アカでは「未来につながる5つの力(応用力・発展力・思考力・判断力・表現力)」と位置付けています。勉強の面でも、日常生活の面でも、非常に重要です。

 

 小学生・中学生の内から、「あすがく」を通じて、グラフや資料から「キーワードを読み解く力」を養って高校生と繋げていきたいですね。また、円アカの「思考力・判断力・表現力」への取り組みとして、朝日学生新聞社が主催する「ニュース作文コンクール」にも毎年参加しています。

 全国開催されているこのコンクールを最終目標とし、「作文講座」を実施して「添削授業」を実施しています。今年度も7月25日(火)からスタートしています。北海道公立高校入試でも、「自分自身の体験を例にして」筆者の考えを説明する新傾向の問題で,文章の内容を読み取る力に加えて,自分なりに文章の内容をかみ砕いて表現する力が問われる問題が出題されました。円アカで「未来につながる5つの力(応用力・発展力・思考力・判断力・表現力)」を養っていきましょう!